2015年8月20日

新宿にまたゴジラが出現!新宿クリエイターズ・フェスタ2015

砂像ゴジラは9月27日まで新宿中央公園の水の広場で公開中

瓦礫からゴジラの頭部突き出し、土台の脇からゴジラの爪が

新宿駅周辺各所において繰り広げられるアートイベント『新宿クリエイターズ・フェスタ 2015』。2015年8月21日(金)の開会に先駆け、砂像彫刻家・保坂俊彦さんの手による砂像『ゴジラ』がお目見えした。頭上には「ゴジラVSキングギドラ」でゴジラが破壊した都庁庁舎が精密に作りこまれ、背面にはキングギドラ、側面にはモスラ、ラドン、メカゴジラといった人気の東宝怪獣が。

会場のひとつである新宿中央公園・水の広場に設けられた特設会場にはおよそ50トンもの砂を持ち込んで制作されたもの。8月10日より制作が続けられてきた。完成間近になっての天候の急変で、完成が危ぶまれたが、あとは土台部分に描かれた怪獣たちを仕上げて完成となるようだ(19日12時現在)。

背面にはキングギドラ!

右側面にはガイガン、ラドン、未完成だがヘドラらしきものも

左側面にはメカゴジラ、モスラ、メガロが。土台には10体ほどのサブキャラを描く予定だそうだ

保坂俊彦さんは2013年夏の江ノ島での「進撃の巨人」砂像も記憶に新しい、砂像彫刻家のひとり。東京藝術大学在学中より砂像制作をはじめ、世界各地で開かれる砂像コンテストに日本を代表する招待作家として参加するアーティスト。砂では難しい人体や動物等の表現に優れ、高い評価を得ている。

9月27日まで公開。砂像には完成後、定着剤が吹きつけられ2,3ヶ月は形を留めることができる。

炎天下、砂像制作に取り組み保坂さん


砂像の都庁の目の前には都庁が

http://www.scf-web.net

2015年8月18日

《そうかえん》をライブで! 「平成27年度富士総合火力演習」ライブビューイング


アーティストや演劇、歌劇など、さまざまなエンターテインメントコンテンツを劇場で上映するようになり、ますます劇場の可能性を拡大しているODS(Other Digital Stuff)。いまや、『ライブビューイング』という名称がすっかり定着した感があります。

そして今週末ライブビューイングの極めつけとも言えるコンテンツが上映されます。

そうかえん!

そうです。「富士総合火力演習」の様子が劇場で上映されます。『「平成27年度富士総合火力演習」ライブビューイング』が8月23日(日)10:00〜12:00に新宿バルト9、T・ジョイ大泉をはじめ全国16館の劇場で行われます。

富士総合火力演習とは、陸上自衛隊が行う演習のひとつで、静岡県御殿場市の東富士演習場で実施されています。戦車や火砲による実弾射撃、ヘリコプターなどの展示飛行など、目の前で繰り広げられる大迫力、大音響の “そうかえん” を、劇場ならではの4Kスクリーン(一部劇場のみ)とサウンドでライブで再現します。




富士総合火力演習の訓練そのものは7月から8月にかけて行われるもので、その後、8月下旬に行われる展示演習が公開されています。展示演習は前段と後段の二部構成で行われ、前段では、陸上自衛隊の火力を主要装備ごとに遠距離火力、中距離火力、近距離火力、ヘリコプター火力、対空火力及び戦車火力について紹介、後段では、統合運用による「島嶼部における攻撃への対応」として重要な三段階である「部隊配置」「機動展開」「奪回」の作戦様相を取り入れた演習が展開されます。

1961年から行われている富士総合火力演習ですが、ここ数年は、一部の興味のある方だけでなく、家族連れやデートで参加するイベントとなってきており、数万人が参加できる一般公募の抽選もなかなか当選しなくなっているようです。また気軽に演習の様子を見ることができる、ニコニコ生放送やスカパーなどの中継も行われています。

今回のライブビューイングは演習には行けないけれど、より迫力のある映像、音響で “そうかえん” を楽しみたいというニーズに応えるものと言えます。


【平成27年度富士総合火力演習 ライブビューイング 実施概要】
◯開催日時
2015年8月23日(日)10:00開演(予定)
※公演時間等は予告なく変更になる場合があります。
◯料金 3,000円(税込)
◯実施劇場
新宿バルト9(完売)、T・ジョイ大泉、T・ジョイ蘇我、横浜ブルク13、こうのすシネマ、T・ジョイ新潟万代、T・ジョイ長岡、梅田ブルク7、T・ジョイ京都、広島バルト11、T・ジョイ出雲、T・ジョイ博多、T・ジョイリバーウォーク北九州、T・ジョイ久留米、T・ジョイパークプレイス大分、鹿児島ミッテ10
◯注意事項
・本イベントは静岡県御殿場市の東富士演習場にておこなわれる「平成27年度富士総合火力演習」の衛星生中継です。
・当日、天候不良等により平成27年度富士総合火力演習が中止となった際は、昨年行われました演習の映像VTRを上映します。
・本イベントは衛星生中継のため、天候等により映像・音声に乱れが生じる場合があります。あらかじめご了承下さいますようお願いいたします。

2015年8月7日

MUSEUM PROFILE 02:小山市立車屋美術館

日光街道に面して位置する小山市立車屋美術館。見た目は立派な家という風情だ

小山市立車屋美術館は2009年4月、栃木県小山市の南西に位置するJR間々田駅近く、日光街道に面した地に開館しました。同館はこの地のかつての豪商・小川家が所有していた住宅ならびに蔵である「小川家住宅」を活用した、大変風情のある美術館です。


国の登録有形文化財「小川家住宅」

小山市の中央を流れる思川はそのまま利根川へと注ぎ、江戸と直結することで、江戸から明治にかけて水運が盛んでした。当時、小山市乙女にあった乙女河岸で肥料問屋「車屋」を営んでいた小川家は隆盛を極めました。現存する小川家住宅は入母屋造りの主屋、土蔵、表門、米蔵、肥料蔵の5棟からなり、鉄道の発達にともない、明治末に現在の日光街道沿いの地に新築・移築したものです。


美術館から5〜6分歩けば、思川の土手を望むのどかな田園風景が広がる

これらの建物は当時の繁栄ぶりを伝える貴重な遺産であり、建築としても絶妙に洋風を取り入れた近代和風住宅としての価値が認められ、2007年8月に国の登録有形文化財に登録されました。小山市では貴重な建造物の活用を目的に、旧米蔵の改装し、内部にホワイトキューブを設けた展示スペースを設置、美術館として開館しました。

旧米蔵。内部を改装して展示室となっている

肥料蔵。内部は以前の蔵のままだが、ここに作品を展示することも

主屋のとなりに立つ重厚な土蔵

表門。左の門柱に表札が見える

同館は地域にゆかりの美術をはじめ、幅広く美術を紹介する美術館として親しまれています。近年は現代美術の紹介にも力を入れており、現代的な展示スペースとともに、蔵そのままのスペースや主屋の居間なども活用した多彩な展示空間で展開されており、注目される存在となりつつあります。

旧米蔵の展示風景。『岩崎貴宏展 埃(10-10)と刹那(10-18)』(2015年7月11日〜9月6日)より

主屋での展示風景。『岩崎貴宏展 埃(10-10)と刹那(10-18)』(2015年7月11日〜9月6日)より

主屋での展示風景。『岩崎貴宏展 埃(10-10)と刹那(10-18)』(2015年7月11日〜9月6日)より
肥料蔵での展示風景。『岩崎貴宏展 埃(10-10)と刹那(10-18)』(2015年7月11日〜9月6日)より


[開館時間]
9:00〜17:00

[休館日]
月曜日・第4金曜日・祝日の翌日(土・日・休日にあたる場合は除く)・年末年始

[問い合わせ]
〒329-0214  栃木県小山市乙女3-10-34
TEL 0285-41-0968(代表)FAX 0285-41-0922


2015年8月5日

極小化されたゆうえんちの記憶《岩崎貴宏展 埃(10-10)と刹那(10-18)》小山市立車屋美術館

アウト・オブ・ディスオーダー(地勢レンダリング) 
2015年 髪の毛

鉄塔のような巨大構造物を髪の毛などを使って極小サイズで再現する《アウト・オブ・ディスオーダー》、歴史的な建築を実像と水面に映る虚像を融合させた《リフレクション・モデル》などで国内外から評価が高いアーティスト岩崎貴宏。岩崎の国内初となる個展「山も積もればチリとなる」が3月に黒部市美術館で開催され、7月からは『埃(10-10)と刹那(10-18)』とタイトルを改め、小山市立車屋美術館で開催中だ。

栃木県小山市で開催するにあたり、新たに小山という地に寄り添った内容へと改変されている。その象徴的な存在が《アウト・オブ・ディスオーダー》の中で再現された観覧車だ。小山市は過去、小山ゆうえんちという関東に住まう人なら多くの方がご存知の遊園地があった。そのいまはなき遊園地の記憶を観覧車というかたちにとどめている印象的な作品だ。

会場となっている小山市立車屋美術館は、明治大正期に肥料問屋としてこの地に近い思川に面した乙女河岸にあった小川商店(屋号は車屋)の入母屋、平入り2階建の和洋折衷の住宅で、登録有形文化財に登録されている「小川家住宅」を活用した美術館で、旧米蔵を改造して内部にホワイトキューブを設けた展示室を持つ。

本展はこの旧米蔵を主会場として、新作の《アウト・オブ・ディスオーダー〈生命の風景〉》(塩で作られた大地に素麺やうどん、ビーフンでできた構造物)などが展示されているが、登録有形文化財である母屋や肥料蔵にも作品が展示されている。ホワイトキューブとはまた違った味わいのある作品を展開しており、こちらも見逃せない。

アウト・オブ・ディスオーダー(生命の風景)
2015年 塩、素麺、うどん、冷麦、ビーフン

アウト・オブ・ディスオーダー(地層)
2011ー2015年 シーツ、バスタオル、衣類、麺、毛糸

アウト・オブ・ディスオーダー(地勢レンダリング) 
2015年 髪の毛

アウト・オブ・ディスオーダー(布団) 
2010年/2015年 布団、髪の毛

アウト・オブ・ディスオーダー(世界の藪々) 
2015年 歯ブラシ、柵


黒部市美術館・小山市立車屋美術館共同企画 岩崎貴宏展
http://www.takahiroiwasakiexhibition.com

MUSEUM PROFILE 02:小山市立車屋美術館(アートな日常、エンタメな毎日)
http://chibahidetoshi.blogspot.jp/2015/08/blog-post.html