2014年4月30日

夏までに絶対行きたい! レアンドロ・エルリッヒ展

レアンドロ・エルリッヒ《スイミング・プール》
Photo by Hidetoshi Chiba

金沢21世紀美術館の目玉展示として、アート好きな方のみならず、金沢に観光にきたらこれを見なきゃ、とまで言われているのが、この『スイミング・プール』です。「プール」という僕たちが知っているありきたりのものを、これまで考えた事もなかった新しい視点で、非日常のモノに変化させています。

知ってしまえば、な〜んだ、という、まるでとんちのような作品なのですが、このちょっとしたひねりが生み出す新鮮な視点は、まさにレアンドロ・エルリッヒさんならでは。ちょっと驚くとともに、誰もが気軽に体感できる作品を通じて、アートに対する垣根が取り払われ、親しみさえ感じることができます。さらに、自分にもなにか新しい発想が生み出せるんじゃないかと、ちょっとだけ、クリエイティブな思考に目覚めさせてくれる作品でもあります。

90年代はじめから次々に出てきたさまざまなアート表現の中で、誰もが共有できるモノやコトに対して、現実に見えているモノとは違った見方を与えてしまうという、いわば “視覚のマジック” と言えるのがエルリッヒさんの作風。こうした手法は、現代美術といわれる芸術の特徴のひとつとして定着しています。

さて、いったいどんな作品なのか、種明かしはぜひ金沢まで行ってご自分で体験してきてください。

金沢21世紀美術館
Photo by Hidetoshi Chiba

レアンドロ・エルリッヒ《スイミング・プール》
Photo by Hidetoshi Chiba

そのレアンドロ・エルリッヒさんの日本での初個展となる『レアンドロ・エルリッヒ ーありきたりの?』が、この夏、金沢21世紀美術館で開催されます。同館の恒久展示作品である「スイミング・プール」をはじめ、「サイドウォーク」、「くりかえし」、「雲」、「エレベータの迷路」、「階段」、「エレベータ・ビッチ」、「見えない庭」、「ログ・キャビン」、「住宅」などが出展されます。

「スイミング・プール」はまだ、という方はもちろん、エルリッヒさんの作品が好きな方も、「スイミング・プール」と一緒に数々の作品を見ることができる、またとないこの機会に、ぜひこの夏は金沢に足を運んでみてはいかがでしょう。僕もひさびさに金沢に行こうと思います。

ちなみにエルリッヒさんの作品は金沢以外にも、日本各地で見ることができます。例えば、新潟で行われている「越後妻有 大地の芸術祭」に出品された「トンネル」(キナーレ、2014)、そして香川で行われている「瀬戸内芸術祭」に出品された「美しく捨てられて」(屋島ケーブル山頂駅跡、2013)、「不在の存在」(女木島、2010)も見ることができます。




東京都現代美術館で開催された「うさぎスマッシュ」展でのレアンドロ・エルリッヒさん
Photo by Hidetoshi Chiba

レアンドロ・エルリッヒ《ロスト・ガーデン》
Photo by Hidetoshi Chiba

【開催概要】
開館10周年記念『レアンドロ・エルリッヒ ーありきたりの?』

会期:2014年5月3日(土)〜8月31日(日)
10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
会場:金沢21世紀美術館 展覧会ゾーン
休場日:月曜日(ただし、5月5日、7月21日、8月11日は開場)、5月7日、7月22日
料金:一般 1,000円(800円)、大学生 800円(600円)、小中高生 400円(300円)、65歳以上の方=800円
※( )内は団体料金(20名以上)及び前売りチケット料金
※本展観覧券で、「コレクション展 I」も合わせてご覧いただけます。