2012年11月4日

おもしろいけど、なんだかなぁ。TOKYO DESIGNERS WEEK2012


今年も絵画館前で開催されたTOKYO DESIGNERS WEEK
先週今週はほんとにアート系、デザイン系のイベントが目白押しで参りました。とりわけこの時期にもっと注目されるのが『TOKYO DESIGNERS WEEK2012』なわけですが、今年もおもしろかったのは「学校作品展」。荒削りで完成度は低いんだけど、見てて楽しい。作っている側も楽しんでいそう。ラップで作ったハウスに学生がラップで作った帽子をかぶっているとか、木や竹で作った打楽器のような構造物に入って叩いて遊ぶとか、ボールで満たされた空豆のような形のハウスの中で遊ぶとか、特に外のエリアでの遊具っぽい作品が楽しめました。


目玉となった「伊藤若冲感性インスパイア作品展」は著名な作家が居並ぶ贅沢な展覧会ですが、いかんせん詰め込み過ぎの感が。「まぁ、これも若冲っちゃ若冲だけどなぁ」と無理矢理納得しないとだめな作品もあり、なんだかなぁ、と。もっともテーマとは関係なく、WOWや森野和馬さん、河口洋一郎さんの作品も見られて、それはそれでよかったですね。チームラボの作品もらしい感じでよかったのですが、来場者が歩くたびに作品が揺れる(投影しているプロジェクターが揺れてる?)のはちょっとお粗末。それとやはり一点でもいいから若冲のオリジナルがないってのは、いくらなんでも無理あるんじゃあ、と。


揺れる若冲はチームラボの作品

友人の岡田智博さんプロデュースによる「Design Next」の取り組みは面白いと思いました。個々の作品には触れませんが、実にユニークなアプリやウェブサービスを紹介していて楽しい。スマホ全盛のこの時代にあって、ソフトウェアの存在はデザインにおいても無視できないものであり、Design Nestに限らず、企業ブースでもアプリやソフトウェアにフォーカスしているところもあって、もっともっと注目されなければならないと思います。そういう意味では、このキツキツのスペースはないじゃないの?という感じも。来年に大いに期待したいです。

全体的にはあまりに詰め込み過ぎ、なのにあまりにカテゴリ分けし過ぎの感もあり、全体を見渡すプロデュース、ディレクションが仕上がっていないと強く感じました。もっとも、本展そのものが、きちんとテーマを持たせたものではなく、アート、デザインのフリマのようなものと考えれば、楽しめるんだろうな、と。だとしたら、この入場料金は高いよなぁと。

プレスとして一言言わせていただくと、今年もまたこのイベントの運営事情がよくわからない。プレスの問い合わせ先もわからず、例年、プレスで取材させていただいているのに、まったく事前の案内がない。告知活動も十分とは言えず、せっかくの内容にも関わらず、気がつきゃ終わってしまったイベントありました。最終日のDesign Nextのカンファレンスもスケジュールがあって見られないし。

なんだかなぁ。

なお、フォトアルバムをFacebookで公開していますので、そちらもあわせてご覧ください。